化学辞典 第2版 「単分散系」の解説
単分散系
タンブンサンケイ
monodisperse system
分散系のなかで,分散相が均一な大きさになっているものをいう.機械的分散法や凝集法でつくった分散系では,粒子の大きさがそろっていない(多分散系)のが通例であるが,La Mer(1950年)は,凝集法でエーロゾルや懸濁液をつくるときに適当な凝集核を与えると単分散の粒子を得ることを示した.このような単分散系では,散乱光が観測する方向によって色調や強度に特徴のある変化を示す.これを高次のチンダルスペクトルという.分散粒子の大きさと蒸気圧あるいは溶解度の関係は,この単分散系を用いてはじめて確認された.タンパク質の水溶液では,分子の大きさがそろっているので単分散系であるが,合成高分子溶液は,一般に多分散系で分子量分布が問題となる.[別用語参照]単分散高分子
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報