卯酉儀(読み)ぼうゆうぎ(その他表記)prime vertical instrument

改訂新版 世界大百科事典 「卯酉儀」の意味・わかりやすい解説

卯酉儀 (ぼうゆうぎ)
prime vertical instrument

望遠鏡回転軸南北方向で水平において,卯酉線の方向だけを観測できるようにしたもの。特別なものがあるわけではなく,経緯儀や携帯用の子午儀の水平軸を南北にして用いる。これによる観測では,赤緯のわかっている星が卯酉線を通過する時刻を測定し,その時角から観測地の緯度を決定する。同じ星を東と西の卯酉線で観測すると,それぞれの通過時刻の差の半分を恒星時間で表したものが時角となり,子午線両側で観測するため望遠鏡の設置誤差が消去できる。また,逆に観測地の緯度がわかっているときには,同じ観測方法で,天体の赤緯を知ることができる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 古川

ローマ法王ともいう。ラテン語 Papaの称号はカトリック教会首長としてのローマ司教 (教皇) 以外の司教らにも適用されていたが,1073年以後教皇専用となった。使徒ペテロの後継者としてキリスト自身の定...

教皇の用語解説を読む