デジタル大辞泉
「子午儀」の意味・読み・例文・類語
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しご‐ぎ【子午儀】
- 〘 名詞 〙 天体の子午線通過の時刻を観測し、またその天体の位置を観測する器械。東西に支えられた水平軸に直角に、子午線面の中だけを回転できる望遠鏡を取りつけたもの。現在では、写真天頂筒(PZT)や光電式アストロラーブが多く用いられる。〔工学字彙(1886)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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子午儀
しごぎ
天体の子午線通過時刻を精密に測定するための装置。星をとらえるための望遠鏡部分は、装置の測定精度を高めるために南北方向にしか回転しないようにつくられている。それゆえ天球上の子午線部分しか見ることができないので、子午儀とよばれる。
子午儀観測の目的は、赤経の知られている恒星の子午線通過の瞬間をとらえてその恒星時を知り、それから常用時(平均太陽時)を計算して手持ちの時計と比較し、時計を正しい平均太陽時に保つことであった。現在の常用時は、原子時計の時刻を基準とし、それをVLBI(超長基線電波干渉計)などの高精度な観測の国際地球回転観測事業(IERS:International Earth Rotation Service)によって修正して保時されるので、子午儀は使用されていない。
[中嶋浩一]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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子午儀
しごぎ
meridian transit
天体の子午線通過の時刻およびそのときの位置を測定するため,子午線面内で自由に回転するよう望遠鏡を据付けた特殊な観測装置。一般に天体の位置の精密な観測は,その高度が最も大きく,したがって大気差が小さく,しかも鉛直方向のみに影響する南中時に行うのがよい。これにより,恒星の南中する精密な時刻をはかってその赤経を算出し,また逆に赤経の知られている恒星の南中を観測して時計の補正を行うことができる。天文台内に据付けるのでなく,野外観測に携帯されるものでは,望遠鏡の途中にプリズムを置いて,回転軸の一端へ光を導くなどの工夫が凝らされているが,そのような型のものをプリズム子午儀という。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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子午儀 (しごぎ)
meridian instrument
恒星の子午線通過の観測に基づいて,恒星の赤経,通過の時刻,観測地点の経度のうち二つを既知として,残りの一つを決定するための天文器械。東西方向の水平回転軸に垂直に望遠鏡が取り付けられ,接眼部には測微尺がある。主として,恒星時の決定のために活用された古典的装置。現在では,この目的のために,写真天頂筒(PZT)や光電式アストロラーブが用いられている。
執筆者:宮本 昌典
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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子午儀【しごぎ】
恒星の子午線通過の観測に基づいて,恒星の赤経,通過時刻,観測地点の経度のうちの既知の二つから残りの一つを求めるのに利用される天文装置。正しく水平に東西方向に向けた回転軸に,小型望遠鏡を直角に取りつけ,望遠鏡が子午面内だけで回転するようにしてある。主として恒星時の決定に用いられたが,この目的では写真天頂筒や光電子アストロラーブにとってかわられた。
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