天体の子午線通過時刻を精密に測定するための装置。星をとらえるための望遠鏡部分は、装置の測定精度を高めるために南北方向にしか回転しないようにつくられている。それゆえ天球上の子午線部分しか見ることができないので、子午儀とよばれる。
子午儀観測の目的は、赤経の知られている恒星の子午線通過の瞬間をとらえてその恒星時を知り、それから常用時(平均太陽時)を計算して手持ちの時計と比較し、時計を正しい平均太陽時に保つことであった。現在の常用時は、原子時計の時刻を基準とし、それをVLBI(超長基線電波干渉計)などの高精度な観測の国際地球回転観測事業(IERS:International Earth Rotation Service)によって修正して保時されるので、子午儀は使用されていない。
[中嶋浩一]
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