子午線(読み)しごせん

日本大百科全書(ニッポニカ)「子午線」の解説

子午線
しごせん

天球上で、天頂と天の北極を通る大円をいう。これは、地平線と真北・真南で交わる。昔の呼称で、北は子(ね)の方向、南は(うま)の方向といっていたので子午線とよばれる。同様に、真東・真西と天頂を通る卯酉線(ぼうゆうせん)という大円もある。天球の日周運動によって、天体は1日(正確には1恒星日)に1回子午線を東から西へ通過するが、これを天体の南中とよび、地平からの高度がもっとも大きくなる。子午儀・天頂儀・子午環・写真天頂筒などの望遠鏡は、この南中時に天体を観測して、恒星の位置や惑星の動き、天球に対する地球の姿勢、時刻、地球上の観測点位置などを決定する。これらの研究を「子午線天文学」とよぶ。

 また地球上での子午線は、北極点と南極点を通る大円すなわち経線のことであり、ある地点を通る経線をその地点の子午線という。ロンドンのグリニジ天文台を通る経度0度の経線を本初子午線、日本の明石(あかし)(兵庫県)を通る東経135度の経線を日本中央子午線と称する。

[中嶋浩一・市川正巳]


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精選版 日本国語大辞典「子午線」の解説

しご‐せん【子午線】

〘名〙 (「子(ね)」は北、「午(うま)」は南の意)
① 観測地の天頂と天の両極および南点、北点を結ぶ大円。天の子午線。
※造化妙々奇談(1879‐80)〈宮崎柳条〉八「今盤面子午線(シゴセン)を用(もっ)て午晷を測り」
② 地球上の両極を結ぶ大円。地球の子午線。経線。〔和蘭字彙(1855‐58)〕
※本初子午線経度計算方及標準時の制(明治一九年)(1886)「英国グリニッチ天文台子午儀の中心を経過する子午線を以て経度の本初子午線とす」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「子午線」の解説

子午線
しごせん
meridian

(1) 地球の両極を通る大円の半分。経線ともいい,赤道とは直角に交わる。ロンドンのグリニッジ天文台を通過する子午線を本初子午線と呼び,これを0°として東経 180°,西経 180°に分ける。 (2) 天文学では,天球上において,天頂と天の北極・天の南極を通る大円を天の子午線という。地球上の子午線は天の子午線の平面が地球表面を切る線にあたる。

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デジタル大辞泉「子午線」の解説

しご‐せん【子午線】

《「」は北、「」は南の意》
ある地点の天頂と、天の北極および南極とを通る天球上の大円。天体の方位角時角を測るときの基準となる。天の子午線。→卯酉ぼうゆう
地球の南極および北極を通る大円。経線。
[類語]経緯経線経度緯線緯度東経西経北緯南緯赤道日付変更線

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百科事典マイペディア「子午線」の解説

子午線【しごせん】

天球の北・南極と天頂を含む平面(子午面)が天球と交わってできる大円。ある観測地点に固定した基準線で,天体の方位角,時角を測る基準となる。また子午面と地球との交点つまり経度線をいうこともある。

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世界大百科事典 第2版「子午線」の解説

しごせん【子午線 meridian】

天球上と地球上の2通りの用い方があるが,いずれの場合も,観測者から見た南北の方向を結び,観測者(またはその天頂)をとおる大円のこと。子午線の名の由来は,方向を十二支で表したときの北の方向の〈子〉と南の〈午〉とを結ぶという意味で,同様に東西を結ぶ卯酉(ぼうゆう)線もある。天球上の子午線を天体が東から西へ通過することを南中と呼び,これが天文学的な時刻の基準になる。例えば太陽が南中すれば太陽時の正午であり,赤経α時の恒星が南中したときは恒星時α時となる。

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世界大百科事典内の子午線の言及

【回転体】より

…1平面上の曲線cを,その平面上の直線lのまわりに回転したときに生ずる曲面を回転面といい,このときできる立体を回転体という。cを母線,lを回転軸といい,回転面をlを含む半平面で切った切口を子午線という。円,二等辺三角形,長方形をそれらの対称軸のまわりに回転したときに生ずる球,直円錐,直円柱は回転体で,その表面は回転面である。…

【大円】より

…球の中心を通る平面が球面と交わってできる円を大円と呼び,この平面に垂直な球の直径を大円の軸,その両端の点を大円の極という(図)。球面上に大円を一つ定めたとき,この大円を赤道,二つの極を北極,南極と呼び,両方の極を通る大円を子午線と呼ぶことがある。球面上に直径の両端でない2点A,Bがあるとき,これらを通る大円がただ一つ定まり,AとBを端点とする大円の弧のうちの小さいほうは球面上でAとBを結ぶ最短の道となる。…

※「子午線」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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