デジタル大辞泉 「却りて」の意味・読み・例文・類語 かえり‐て〔かへり‐〕【▽却りて】 [副]反対に。逆に。かえって。「いかにいとほしげならむと侮りしを、―心恥づかしきまでなむ見ゆる」〈源・玉鬘〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「却りて」の意味・読み・例文・類語 かえり‐てかへり‥【却て・反て】 〘 副詞 〙 ( 動詞「かえる(反)」の連用形に助詞「て」の付いてできたもの。漢文の「却」「還」などの訓読に当てられ、副詞として用いられるようになった。「は」を伴うことがある ) ある事柄、もしくはその事柄から生じた予期、予想、判断などに対して、それに反し矛盾する事柄を対置する場合に用いる。① それに反して。逆に。あべこべに。かえって。[初出の実例]「国家(みかど)此の時に望(み)たまひて壱伎・対馬に多に伏(かくれ)兵を置きて至(まういた)らむを俟(ま)ちて殺たまへ。翻(カヘリテ)な詐(あざむ)かれたまひそ」(出典:日本書紀(720)敏達一二年是歳(前田本訓))② 予期に反して。案に相違して。かえって。[初出の実例]「手もすまに植ゑし萩にや還(かへりて)は見れども飽かず心尽くさむ」(出典:万葉集(8C後)八・一六三三)「おほん心さし深かりける御中をそむきて〈略〉出家し給へることかへりては仏のせめそふべきことなるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夢浮橋) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例