取立債務(読み)とりたてさいむ(英語表記)Holschuld

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

取立債務
とりたてさいむ
Holschuld

債務者の住所または営業所において履行されなければならない債務。民法は持参債務を原則とするので (484条) ,取立債務であることは例外であり,特別規定 (商法 516条2項) ,慣習または特約がある場合に限られる。債権者取立てに来なければ弁済しなくても債務不履行にならない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

とりたて‐さいむ【取立債務】

〘名〙 債務者の住所または営業所を履行の場所とする債務。持参債務に対するもの。民法では持参債務を原則とし、特別の規定、慣習または特約のある場合にだけこれを認める。⇔持参債務。→送付債務

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の取立債務の言及

【種類債権】より


[種類債権の特定(集中)]
 〈特定〉の基準については民法401条が規定しているが,その内容は次のとおりである。(1)持参債務の場合,すなわち,債務者が債権者の住所へ届けなければならない場合(これが原則である)には,前述の例でいえば,ビール1ダースを債権者宅へ届けたときに,(2)債権者が債務者の住所まで受け取りにくる(取立債務の)場合には,債務者がビール1ダースを取り分け,債権者が来ればすぐ持って帰れるように準備したうえ,その旨を債権者に通知すれば,特定する。(3)債権者の住所,債務者の住所以外の場所で履行すべき送付債務の場合には,債務者が好意的に送付するときは発送した時点で,送付する義務を負うときはその場所へ到達したときに,特定を生じる。…

【弁済】より

…履行期の定めがないときは,債権者はいつでも履行を請求できる(ただし,民法591条参照)。弁済の場所(履行地)は,当事者の約定によって決まるのが普通であり,その多くは債務者の住所(取立債務)であるが,別段の定めのないときは,持参債務とされる。また,特定物の引渡しは,債権発生当時にその物が存在した場所で(484条),かつ,履行期における現状で引き渡さなければならない(483条)。…

※「取立債務」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

iDeCo

個人型確定拠出年金と呼ばれる任意の私的年金制度のひとつ。加入者が毎月決まった金額を積み立てて、金融機関が用意する定期預金・保険・投資信託といった金融商品から運用方法を選び、60歳以降に年金または一時金...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android