口山村(読み)くちやまむら

日本歴史地名大系 「口山村」の解説

口山村
くちやまむら

[現在地名]穴吹町口山

小島おしま村・三谷みたに村の南、穴吹川中流・上流域の山間に位置し、南は半平はんだいら山、西は東端ひがしはば(現貞光町)、東は麻植おえ川田かわた(現山川町)など。村内は初草はつくさ中野なかの西山にしやま梶山かじやま丸山まるやま田方たがた首野くびのなどの東分と、尾山おやま仕出原しではら中野宮なかのみや西谷にしたに淵名ふちみよう知野ちの猿飼さるかい大内おおうち調子野ちようしの支納しのうなどの西分に分れ、村役人も東西で別々に立てていた。のち東口山村・西口山村の二村で扱われる場合もあった。麦や雑穀谷田での米などが主要な産物で、ほかに楮を植付けて紙漉も行っていた。なお天保郷帳に「古ハ穴吹山」と注されるように、かつては穴吹山と称していた。この穴吹山には南隣の半平山が含まれる場合もあったようであるが、応永七年(一四〇〇)細川頼長種野たねの山庄などとともに安堵された「穴吹山半分」(同年八月二四日「畠山基国施行状」細川家文書)を当地とする説がある。

天正一七年(一五八九)の美馬郡口山・半平山・一宇山・穴吹村・拝村検地帳(武田家文書)では村内各名ごとの高と物成が記されており、口山全体では反別七二町余(切畑)、高二三四石余、年貢は三ツ成(物成七〇石余)で、「内麦懸リ高石ニ付三斗六升也、京升ニ仕、同町反ニ付麦壱斗八合懸リ也、京升ニ仕」との注がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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