古史弁(読み)こしべん(その他表記)Gǔ shǐ biàn

改訂新版 世界大百科事典 「古史弁」の意味・わかりやすい解説

古史弁 (こしべん)
Gǔ shǐ biàn

中国顧頡剛(こけつごう)の編著書。一部羅根沢らの編著を含む。全7冊。顧頡剛は疑古派の流れをくむ歴史学者で,つねに大胆な問題提起を行って中国古代史研究の発展に貢献した。本書は彼の論著を中心に同人その他の古代史に関する論著を集め,1926年から41年にかけて出版したものである。第1冊の巻頭を飾る長文の〈自序〉は単なる書物序文ではなく,みずからの学問の成り立ちを自叙伝的に書いたものとして,とくに有名である。《古史弁自序》の題で邦訳されている。
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百科事典マイペディア 「古史弁」の意味・わかりやすい解説

古史弁【こしべん】

中国の古代史,古典研究の書。全7冊。顧頡剛(こけつごう),羅根沢(らこんたく),銭玄同らの編。1926年―1941年北京樸社,上海開明書店刊。第1冊巻頭の顧頡剛による〈自序〉は自叙伝的なもので,日本でも〈古史弁自序〉の名で知られる。

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世界大百科事典(旧版)内の古史弁の言及

【国故整理運動】より

…第2は,おなじく胡適による《西遊記》《水滸伝》《紅楼夢》など元・明・清の古典小説の整理考証,また周作人らの北京大学歌謡研究会がおこなった民間に伝わる故事伝説歌謡などフォークロアの収集といった文学的研究。第3は,銭玄同や《古史弁》全7冊の著者顧頡剛(こけつごう)ら疑古派と称された人々によってなされた,伝統的歴史に対する批判精神にあふれる実証的な歴史研究。そして第4は,劉師培,張煊ら保守的学者が19年に発刊した雑誌《国故月刊》に色濃くみられる,白話(口語)文の流行,五・四新文化運動への心情的反発を主要な動機とする中国の伝統文化顕彰の作業――である。…

※「古史弁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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