日本大百科全書(ニッポニカ) 「古期山系」の意味・わかりやすい解説
古期山系
こきさんけい
古生代の造山運動によって生じた山系。古生山地ともいう。この山系は初めヨーロッパの地質学者らによって研究され、カレドニア造山運動(古生代前半)とバリスカン造山運動(ヘルシニア造山運動)によって生じたことが明らかにされている。この山系は、長い地質時代にわたる侵食作用を受けて、現在は連続していない。前者の造山運動によって、スコットランドからウェールズならびにスカンジナビア半島の西側にかけて山脈が形成された。後者の運動によって、フランスのアルモリカン褶曲(しゅうきょく)帯(ブルターニュ地方)や中央高地、アルデンヌ高原(ベルギー南東部)、ライン山地、ハルツ山地(ドイツ中部)、ウラル山脈などが形成された。
[有井琢磨]