古麓城跡(読み)ふるふもとじようあと

日本歴史地名大系 「古麓城跡」の解説

古麓城跡
ふるふもとじようあと

[現在地名]八代市古麓町

球磨川が八代平野にさしかかる右岸の麓山一帯に構築された中世山城跡。名和氏時代の飯盛いいもり城・丸山まるやま城・鞍掛くらかけ城・勝尾かつお城・八町嶽はつちようだけ城の五城、相良氏時代のしん城・鷹峰たかみね城を総称して古麓城という。「国誌」は建武年中(一三三四―三八)名和氏の代官内河義真が当城を守ったと伝え、名和氏五代約一五〇年間の拠城とされる。「太平記」に建武三年三月、足利尊氏が一色・仁木氏を派遣して八代の城を攻め、内河彦三郎を追落した記事がある。明徳二年(一三九一)九月日の武雄社大宮司跡代新兵衛尉軍忠状(武雄神社文書)に「八町嶽城」の城名がみえ、同年七月二日八代に進入した今川軍は南朝方の拠城となっていた同城を攻め、名和顕興らを降伏させた。文明一六年(一四八四)三月七日、相良為続は「八代三ケ所之城」に火を放ち、これを攻落している(「相良為続書状」相良家文書)以後相良氏治下となるが、明応八年(一四九九)為続は菊池能運と離反し、当城には名和顕忠が入った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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