史官(読み)シカン

デジタル大辞泉 「史官」の意味・読み・例文・類語

し‐かん〔‐クワン〕【史官】

歴史編纂へんさんに従う官職。特に、古代中国で、文書記録の任にあたった官。

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精選版 日本国語大辞典 「史官」の意味・読み・例文・類語

し‐かん‥クヮン【史官】

  1. 〘 名詞 〙 歴史を編集し、文書記録を作成する職。もともとは古代中国の官名
    1. [初出の実例]「玄宗大に逆鱗あって、記録を引破て捨られ、史官をば召出して、則ち首をぞ刎られける」(出典:太平記(14C後)三五)
    2. [その他の文献]〔史記‐秦始皇本紀〕

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普及版 字通 「史官」の読み・字形・画数・意味

【史官】しかん(くわん)

史を司る役人。〔史記、始皇紀〕臣ふ、官の秦記に非ざるものは、皆之れを燒かん。

字通「史」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の史官の言及

【書記】より

…【室田 宣一】
[中国]
 書記の語は古くから書物,文字で記されたものの意味で使われてきたが,それが文書や記録を書くことを任とする官名になるのは3世紀,魏の曹操の時代からである。中国では文字を扱う記録係の名称として史があり,天子の言動を記録する左史・右史や,歴史を書く史官を頂点に,各役所の長官=令に属する令史や書史などに分化していった。これらも広義の書記と関係するが,漢代では秘書官的な書記として記室の名称が一般的で,三公や大将軍の上奏,書記をつかさどる記室令史などの官があった。…

【太史】より

…殷代には矢の命中を数える官として史が置かれたが,周になると天文,暦法,卜筮(ぼくぜい)をつかさどる太史が設けられた。暦や占卜に関連して記録も担当したことから史官としての性格をやがてもつにいたる。漢代では世襲の官として太史公が置かれ司馬遷がそれについた。…

【歴史】より

金文も諸部族の歴史にかかわる記事を含む。 周は殷の叙述形式を継承するが,その創業期を過ぎると,史官の手で口頭伝承を記録し,あるいはそれらを集成することが始まったようである。清代の章学誠は,儒家のいわゆる六経はもともと古代の史官の記録から起こったものだという〈六経皆史〉説を唱え,今日でも高く評価されている。…

※「史官」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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