日本歴史地名大系 「吉海町」の解説 吉海町よしうみちよう 愛媛県:越智郡吉海町面積:二七・一五平方キロ大島の西南半を占める。東は燧(ひうち)灘、西南は急潮流で知られる来島(くるしま)海峡で津(つ)島・中渡(なかと)島・武志(むし)島などがある。瀬戸内海国立公園に含まれ、町の中央には国指定名勝の八幡(やわた)山がそびえ、山麓には幸(さいわい)の町と穀倉地帯の幸新田(さいわいしんでん)が広がる。町の三方は山に囲まれ、北部の念仏(ねんぶつ)山は大島石の生産、南部の亀老(きろう)山は村上水軍の根拠地として有名である。幸新田の中央を南北に舫大(もやいおお)川、東西に仁江(にえ)川が流れ、ともに吉海港に流入する。町の産業は柑橘を主とする農業が中心であるが、今治(いまばり)市とはフェリーボート二五分で結ばれ通勤者も多い。また春の島四国には阪神からも観光客が訪れ、善根宿(ぜんこんやど)の風習を今も残している。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報