吉野保(読み)よしのほ

日本歴史地名大系 「吉野保」の解説

吉野保
よしのほ

和名抄英多あいた郡吉野郷の郷名を継ぐものか。遺称地などは不明であるが、明治二二年(一八八九)に現作東町の北東部に五名ごみよう村・豆田まめだ村など六ヵ村が合併して吉野村が成立する。あるいは同村一帯に推定されるか。永和元年(一三七五)一一月一六日の後円融天皇綸旨案(東寺百合文書)によると京都六勝寺の一、法勝ほつしよう寺領で、大嘗会米が免除されている。永徳四年(一三八四)銘の現英田町顕密けんみつ寺鰐口銘文に「吉野庄内顕密寺本堂常住也」とある。康安元年(一三六一)七月、山名方の美作侵攻に対し赤松則祐は吉野にも築城し、一〇〇騎を置いた(「太平記」巻三六)


吉野保
よしのほ

吉野よしのヶ岳の北西麓、北に谷口を開いた小谷一帯をさす。享禄四年(一五三一)六月六日付大町景康誓約状(西福寺文書)に「大町村之内真証寺、同末寺吉野保内迎(接)院領事」とみえる。下って天正三年(一五七五)九月日に柴田勝家は吉野保宛に「当郷百姓等早々可還住事」などの定条々(土肥家文書)を与えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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