守護段銭(読み)しゅごたんせん

精選版 日本国語大辞典 「守護段銭」の意味・読み・例文・類語

しゅご‐たんせん【守護段銭】

〘名〙 中世守護がその領国で課した段銭
※東寺百合文書‐ち・正長元年(1428)六月一五日・二十一口方評定引付「守護段銭免除案」

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「守護段銭」の解説

守護段銭
しゅごたんせん

一国平均役としての公田段銭ではなく,室町時代,守護が分国内に私に賦課した段銭。公田段銭の守護請を利用して,守護が段銭徴収に対する権限を強めた15世紀中頃から一般化する。要脚段銭・公用段銭などと称され,やはり公田面積を賦課基準としていた。徴収した守護段銭は分国内の領主層に給付され,守護との被官関係形成の手段ともされた。中世末期には,このような私段銭が領主諸階層に広くとりいれられた。

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旺文社日本史事典 三訂版 「守護段銭」の解説

守護段銭
しゅごたんせん

南北朝・室町時代に守護によって課せられた段銭
段銭は元来幕府が課すものであったが,守護を通じて課せられたところから,それを口実にしだいに守護自身が課すようになった。しかも頻繁でしだいに恒常化し,銭納でもあることにより,農民を苦しめた。半済 (はんぜい) とともに守護領国制の経済的基礎となった。

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