同位体希釈分析(読み)どういたいきしゃくぶんせき(その他表記)isotope dilution analysis

改訂新版 世界大百科事典 「同位体希釈分析」の意味・わかりやすい解説

同位体希釈分析 (どういたいきしゃくぶんせき)
isotope dilution analysis

同位体を利用した化学分析手法の一種原理的には非放射性同位体を用いて行うこともできるが,検出感度がきわめて高いので放射性同位体を使用する場合が多い。その原理は,比放射能(単位重量当りの放射能)がわかっている物質の一定量を非放射性の同じ物質と混合した後,その物質の一部を純粋に分離して比放射能を測定し,希釈度を知るものである。分析対象となる試料から目的とする物質を定量的に純粋に分離することはきわめて困難であるが,この方法によれば,収率に関係なく,純粋に分離を行いさえすればよく,比較的簡単な操作で信頼性の高い結果が得られる。

 分析対象となる物質が非放射性および放射性の場合,おのおの直接希釈法および逆希釈法と呼ばれる。

(1)直接希釈法 試料中の目的とする化合物の量xが未知であるとき,比放射能S1のわかった放射性同位元素で標識した同じ化合物をWだけ加え,よく混合した後その化合物を純粋に分離して,比放射能S2を測定すれば,次のようにxを求めることができる。

 S1WS2Wx

 x={(S1/S2-1)}W

(2)逆希釈法 試料中の目的とする放射性同位元素で標識した化合物の量xが未知であるとき,同じ非放射性の化合物をaだけ加え,よく混合した後その化合物を純粋に分離し,その比放射能S′を測定する。このとき試料中の標識化合物の比放射能Sがあらかじめわかっているかまたは測定できるならば,次のようにxを求めることができる。

 SxS′(xa

 x={S′/(SS′)}a
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関連語 石榑 田中

最新 地学事典 「同位体希釈分析」の解説

どういたいきしゃくぶんせき
同位体希釈分析

isotope dilution analysis

化学的性質のよく似ている多元素の混合物から,定量しようとする物質を一部でも純粋に分離・計測できるときに適用できる分析法。未知試料に定量しようとする物質と同位体比の異なる標識化合物(スパイク)を一定量加えてよく混合したのち,その物質を一部でもよいから純粋に分離し,標識化合物量と末知試料比から当初存在した未知試料量を求める。スパイクには放射性同位体あるいは安定濃縮同位体が用いられ,測定には放射線計測装置や質量分析計が使われる。特に後者の分析は手間がかかるが精度のよい値が得られる。

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