名草山(読み)なくさやま

日本歴史地名大系 「名草山」の解説

名草山
なくさやま

紀三井寺きみいでら三葛みかずらの地域にまたがり、西に和歌浦わかのうらを見下ろす。標高二二八・六メートル。「続風土記」は「郡中に特立して山脈他に連接なし、故に独、名草山の名を負へり」と記す。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「名草山」の意味・わかりやすい解説

名草山
なぐさやま

和歌山市南部にある山。標高229メートル。紀ノ川南岸に沿う龍門(りゅうもん)山系の西縁にあたり、古生層の三波川(さんばがわ)変成帯に属する結晶片岩からなる。旧名草郡(1896年以後海草郡)の象徴とされ、『万葉集』にも詠まれた。山麓(さんろく)はかつての名草浜で、名草は渚(なぎさ)の意とされる。山頂からは、和歌山平野から和歌浦湾一帯が眺望される。西側山腹に西国(さいごく)三十三所第2番札所の紀三井寺(きみいでら)があり、桜の名所として知られる。

[小池洋一]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android