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和歌浦 わかのうら

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

和歌浦
わかのうら

「わかうら」ともいう。和歌山市南部,紀伊水道にのぞむ和歌浦湾北部の景勝地。旧和歌浦,新和歌浦,奥和歌浦の3地区に分れる。旧和歌浦は片男波 (かたおなみ) の砂嘴に囲まれた入江で,歌枕として知られる名所。江戸時代の観海閣,不老橋などがある。新和歌浦は第1次世界大戦後に開発された海食崖を中心とする景勝地。奥和歌浦はさらに西に続く雑賀崎海岸で,緑泥片岩の鷹ノ巣の海食崖がある。現在では新和歌浦と奥和歌浦を和歌浦と総称,友ヶ島とともに瀬戸内海国立公園に属する。

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デジタル大辞泉の解説

わか‐の‐うら【和歌浦】

和歌山市南部の海岸。和歌川の河口の、片男波(かたおなみ)と称する砂嘴(さし)に囲まれる入り江。玉津島神社・不老橋・観海閣などがあり、西に新和歌浦が連なる。[歌枕]
「―に潮満ち来れば潟をなみ葦辺をさして鶴(たづ)鳴き渡る」〈・九一九〉

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百科事典マイペディアの解説

和歌浦【わかのうら】

和歌山県和歌山市街南部,和歌浦湾北岸の景勝地。和歌川河口に突出した砂州の片男波(かたおなみ)の東側で,《万葉集》に若の浦などとあるように古歌にもよまれた。平安中期ごろから盛んになった高野山・熊野参詣に伴い,当浦を訪れる貴族が増えている。
→関連項目和歌山[市]

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世界大百科事典 第2版の解説

わかのうら【和歌浦】

和歌山市の南部,和歌川河口一帯の海辺で,古くより景勝の地として著名。河口には砂嘴(さし)の片男波(かたおなみ)が長く延び,かつては海中の島であった玉津島には和歌の神として信仰された玉津島神社が鎮座する。724年(神亀1)聖武天皇が行幸,風光を賞して名を〈明光浦〉と改め,玉津島神をまつった(《続日本紀》)。このとき従駕した山部赤人の〈若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺をさして鶴(たづ)鳴き渡る〉(《万葉集》巻六)はよく知られ,片男波の名もこの〈潟を無み〉によるという。

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大辞林 第三版の解説

わかのうら【和歌浦】

和歌山市南部の海岸景勝地。和歌川河口を占め、片男波かたおなみの砂嘴さしに囲まれる。東照宮・天満宮・玉津島神社などがあり、北西に新和歌浦・奥和歌浦が連なる。⦅歌枕⦆ 「 -に潮満ち来れば潟かたをなみ葦辺あしへをさして鶴たず鳴き渡る/万葉集 919

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日本の地名がわかる事典の解説

〔和歌山県〕和歌浦(わかのうら)


和歌山市南部の海浜。和歌川河口に形成された片男波(かたおなみ)とよばれる砂嘴(さし)に囲まれた入り江で、古来風光明媚(めいび)な地として知られ、歌枕(うたまくら)とされた。砂嘴の基部に玉津島(たまつしま)神社・東照宮(とうしょうぐう)があり、東岸に紀三井(きみい)寺がある。西側は新和歌浦、その西の海食崖(かいしょくがい)の海岸は奥和歌浦とよばれ、一帯は瀬戸内海国立公園に含まれ、ホテル・旅館などが立ち並ぶ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

和歌浦
わかのうら

和歌山市南部の海浜。近年「わかうら」ともよばれる。聖武(しょうむ)天皇行幸の際に山部赤人(やまべのあかひと)が詠んだ「若の浦に潮満ちくれば潟をなみ……」(『万葉集』巻6)で知られた古くからの景勝地。丘陵をなす雑賀(さいか)山の南麓(なんろく)、紀ノ川旧河道の和歌川河口に臨む砂浜で、赤人の歌にちなんで片男波(かたおなみ)とよばれる砂嘴(さし)が南に長く延び内湾を抱いている。古書に若の浦、弱浜(わかのうら)、明光浦(めいこううら)などとも書かれるが、形成されたばかりの若い浜辺の意味である。
 湾を隔てて名草(なぐさ)山とその中腹の紀三井(きみい)寺を遠望する風景は古くから都に知られ、和歌浦の一角にあり、かつては島で現在は陸続きになっている玉津(たまつ)島に鎮座する玉津島神社は聖武天皇をはじめ貴族の来遊が多く、歌会の歌が『万葉集』『新古今集』などに収録されて歌枕(うたまくら)の地となった。国指定名勝。
 玉津島東方には観海閣のある小島があり、玉津島とは三断橋で結ばれ、玉津島から片男波へは石造アーチ型の不老橋が架かる。周辺には和歌祭で知られる東照宮や天満神社がある。湾内は和歌ノリの養殖地で、和歌浦漁港ではかまぼこ製造が行われている。大正初年ころから和歌浦の西方、雑賀山が海に臨む地域が新和歌浦として観光開発され、現在、旅館も新和歌浦に移り、和歌浦は旧和歌浦ともよばれ、名所の名残(なごり)をとどめるばかりになった。新和歌浦のさらに西方の雑賀崎周辺を奥和歌浦とよんでいる。新和歌浦・雑賀崎は瀬戸内海国立公園に含まれ、雑賀崎は指定特別地域として保護される。[小池洋一]

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