名越朝時(読み)なごえ・ともとき

朝日日本歴史人物事典 「名越朝時」の解説

名越朝時

没年:寛元3.4.6(1245.5.3)
生年:建久4(1193)
鎌倉中期の武士北条義時次男で,母は比企朝宗の娘。北条氏の家督の得宗家に次ぐ家格である名越家の基礎をつくる。北陸道諸国の守護と任じられていたが,建暦2(1212)年に女性問題で源実朝の勘気に触れて駿河国富士郡に籠る。和田義盛が挙兵した和田合戦が起きる直前に警戒のため呼び出され,合戦では敵の勇将朝比奈義秀と戦い,奮戦して賞賛される。承久の乱では北陸道の大将軍となって上洛。乱後は式部丞・越後守を歴任して,嘉禎2(1236)年には評定衆となって幕府政治に大きな影響力を与えた。<参考文献>五味文彦『武士と文士中世史

(五味文彦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「名越朝時」の解説

名越朝時 なごえ-ともとき

1193-1245 鎌倉時代の武将
建久4年生まれ。北条義時の次男。北条泰時の弟。鎌倉名越の館にすみ,名越を称す。建暦(けんりゃく)2年3代将軍源実朝(さねとも)の勘気にふれ,義時に義絶されて,駿河(するが)富士郡に蟄居(ちっきょ)。翌3年和田義盛の乱のときゆるされた。承久(じょうきゅう)の乱では北陸道大将軍として朝廷軍をやぶった。嘉禎(かてい)2年評定衆。寛元3年4月6日死去。53歳。通称次郎

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