蟄居(読み)チッキョ

デジタル大辞泉の解説

ちっ‐きょ【×蟄居】

[名](スル)
家の中にひきこもっていること。「終日蟄居して書に親しむ」
江戸時代、武士に科した刑罰の一。自宅や一定の場所に閉じ込めて謹慎させたもの。終身のものは永蟄居という。
虫などが冬眠のため地中にこもっていること。
「竜は…陰の時に至りては―を閉づ」〈太平記・二〇〉

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百科事典マイペディアの解説

蟄居【ちっきょ】

江戸時代,公家武士に科された監禁刑。一室に拘禁謹慎させる。居,永蟄居,蟄居隠居(単に隠居とも)の別があり,永蟄居は終身刑,蟄居隠居は引退させ子孫に家督を譲らせた。→刑罰
→関連項目池田騒動

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世界大百科事典 第2版の解説

ちっきょ【蟄居】

家にこもって謹慎させる刑罰の一種。中世の公家・武家では謹慎あるいは不満の表明として蟄居することもあり,また刑としても行われた。江戸時代にも公家・武家等に例外的な刑罰として行われた。岩倉具視は1862年(文久2)和宮降嫁を推進したことから尊攘派の糾弾するところとなり,辞官蟄居を命ぜられた。1792年(寛政4)《海国兵談》を著した林子平は兄嘉膳方に引き渡し在所において蟄居を命ぜられた。その他著名な事件としては,1839年(天保10)蛮社の獄に連座した渡辺崋山は主人家来に引き渡し在所において蟄居を命ぜられ,54年(安政1)佐久間象山吉田松陰などもこの刑をうけた。

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大辞林 第三版の解説

ちっきょ【蟄居】

( 名 ) スル
家の中にとじこもっていること。 「朝からの降りで一日-して/続風流懺法 虚子
江戸時代、士分以上の者に科した刑罰の一。閉門の上、一室に謹慎させたもの。
虫などが地中にこもっていること。 「竜は…陰の時に至りては-を閉づ/太平記 20

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蟄居
ちっきょ

自宅の一室に謹慎させる刑。江戸時代において、士人以上について行われたが、江戸幕府の公事方御定書(くじかたおさだめがき)にはこの刑は規定していない。謹慎・閉門の刑が門を閉じて出入りを禁じたのに対し、蟄居は閉門のうえ一室に籠(こも)ることを命じた。1792年(寛政4)に仙台藩士林子平は奇怪異説等の著述をしたというので、兄嘉膳方に引き渡され、在所において蟄居を命ぜられ、1839年(天保10)には渡辺崋山(かざん)が蛮社の獄に座して捕らわれ、国元の田原に蟄居を命ぜられている。[石井良助]

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精選版 日本国語大辞典の解説

ちっ‐きょ【蟄居】

〘名〙
① 昆虫などが冬眠のために地中にこもっていること。また、その場所。
※太平記(14C後)二〇「龍は陽気に向かひては威を震ひ、陰の時に至りては蟄居(チッキョ)を閉づ」
② 家の中にとじこもって外へ出ないこと。また、田舎にしりぞいていること。蟄屈。隠居。
※九暦‐九条殿記・大臣家大饗・承平六年(936)正月四日「仍今日蟄居簾中」
※評判記・色道大鏡(1678)一五「中国に蟄居(チッキョ)したりけるが」
③ 江戸時代、武士や公卿に科した刑の一つ。閉門を命じた上、さらに一室に謹慎させること。特に終身の場合を永蟄居という。
※百一録‐寛文一三年(1673)一〇月五日(古事類苑・法律四〇)「極臈〈慈光寺源冬仲〉差次〈中原師庸押小路大外記〉可蟄居之由、中院殿亭にして被仰渡

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