吾妻獅子(読み)あずまじし

精選版 日本国語大辞典 「吾妻獅子」の意味・読み・例文・類語

あずまじしあづまジシ【吾妻獅子・東獅子】

  1. 箏曲峰崎勾当作曲。天明寛政年間(一七八一‐一八〇一)に成る。「伊勢物語」に素材を求めた手事中心の曲。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「吾妻獅子」の意味・わかりやすい解説

吾妻獅子
あづまじし

地歌箏曲の曲名。「東獅子」とも書く。寛政9 (1797) 年峰崎勾当作曲の地歌三弦本調子手事物作詞は丁々と伝えられる。石川勾当作曲の三下りの替手もあり,箏は,京都では浦崎検校手付と伝えられ,その調弦は地域流派により異なる。一般に,関西では低平調子,山田流では半雲井調子で始められる。『歌系図』 (82) 収録曲は別曲で,これに対して峰崎勾当の曲を「新吾妻獅子」ともいう。在原業平の「東下り」が歌い出しに用いられており,後唄 (あとうた) が獅子舞にかこつけてあるのでこの曲題となっているが,全体としては男女の情を述べたもので,ほかの三味線音楽の「獅子物」とは趣を異にする。「手事物」が独立した初期の曲で,地歌としての「獅子物」の代表曲の一つ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android