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手付 てつけ

6件 の用語解説(手付の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

手付
てつけ

契約締結の際に当事者の一方から相手方に交付する金銭,その他の有価物。交付される物はほとんどの場合金銭であるため,手付金,手金ともいわれる。手付を授受することは古くから行われており,平安時代にはこれを「あきさす」と呼んでいたが,江戸時代には手付という名称が一般化した。江戸時代大坂では商人間の取引は信用を重んじ,売買契約は多くは口頭,拍手で成立し,通常,手付の授受は行われなかったが,価格変動の激しい物品の売買には,将来の損失を考慮して解除の手段として用いられたほか,普段,取引のない商人との間の取引に用いられた。今日では手付が交付される目的はいろいろあるが,(1) 契約の成立を証するもの (証約手付) ,(2) 債務不履行の際の違約罰または損害賠償の予定となるもの (違約手付) ,(3) 解除権を留保するためのもの (解約手付 ) ,(4) 売買代金などの一部支払いとなるもの (内金 ) などがある。

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デジタル大辞泉の解説

て‐つけ【手付(け)】

売買や請負などの契約締結の際に、その保証として当事者の一方から相手方に交付される金銭。契約が履行されたときは、代金の一部に充当されることが多い。手付け金。手金。「手付けを払う」
手付き2」に同じ。
手付き3」に同じ。

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百科事典マイペディアの解説

手付【てつけ】

契約の締結に際して当事者間に授受される金銭その他の有価物。手金とも。売買に当たり買主から売主に交付されるほか,賃貸借・請負にも行われる。契約成立を確認する証約手付,債務不履行の際の違約金を意味する違約手付,解除権の留保を認める解約手付などがある。

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世界大百科事典 第2版の解説

てつき【手付】

江戸幕府の郡代・代官の属僚。寛政年間(1789‐1801)以降御家人から任用されたが,譜代席は世襲,抱(かかえ)席は一代限りの別があった。職務上は手代と同じであるが,身分は幕臣で安定していた。郡代・代官の推薦によったが勘定所の管轄にあった。手付は手代とともに江戸詰,代官所詰に分かれて常駐し,元締手付は役所内の実務の責任者であった。江戸後期には昇進して登用される者もいた。ほかに寺社奉行勘定吟味役などの下吏も手付と称した。

てつけ【手付】

契約を結ぶにあたって当事者の一方から他方に対して交付される金銭その他の有価物(法律上は〈手附〉と書く)。契約の成立に必須のものではなく,つねに交付されるとは限らない。さまざまな種類の契約において用いられているけれども,売買に際して買主から売主に対して交付されることが多く,不動産売買においてはとくにしばしばみられる。交付されるのは金銭であることが通常であり,このためそのような金銭を手付金または手金ということもある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

手付
てつけ

売買その他の有償契約の締結の際に、当事者の一方から他方に対して交付される金銭その他の有価物をいう。実際上は、金銭交付の場合が多く、手金、手付金、前渡金などといわれることもある。手付には、契約当事者が解除権を留保するための解約手付と、債務不履行に備えて、違約したときには没収される違約手付とがある。そして、これらの手付には、当事者間で契約が成立したことを証する効力が認められる(証約手付)。民法は、特約がない限り原則として解約手付と推定している(557条1項)。
 手付と対比されるものとして、内金(うちきん)が存する。内金とは、金銭債務の全額を弁済せずに、その一部のみを弁済としてなす給付である。内金を入れることは、少なくとも契約が成立した証拠となるから、証約手付と同様の作用をもつが、解約手付のように解除権を有するものではない。内金か手付かの判断は、使用されている文言にとらわれることなしに、契約の全趣旨から判断されなければならない。解約手付では、手付を交付した者は、それを放棄して、解除をなすことができる。一方、手付を受け取っている者も、その手付の倍額を償還して、解除をすることができる。もっとも、この解除は、当事者の一方が契約の履行に着手するまでに、なされなければならない。なお、契約が解除されることなく、履行が終了すれば、手付は返還されることとなる。ただ、手付と債務の履行として給付されるべきものが、同一の性質を有する場合には、そのまま弁済の一部に充当されることが多い。[竹内俊雄]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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世界大百科事典内の手付の言及

【解除】より

…これによって,あらためて解除の意思表示をすることなく,その期限の経過によって契約は解除される。 なお,売買契約,とくに不動産売買においてしばしばみられるように契約締結に当たって手付けが授受されたときには,原則として,当事者は手付金額分を一種の損害賠償として損をすることによって,相手方が債務の履行を開始するまでの間は解除原因も催促もなしに解除することができる(民法557条)。また,月賦による売買契約あるいは訪問販売等による売買契約のように消費生活と密接に関連する取引に関しては,消費者保護のために原則として契約成立後も8日以内であれば,消費者側から解除原因なしに解除することができる(割賦販売法4条の3,訪問販売法6条など。…

※「手付」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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