歌系図(読み)うたけいず

改訂新版 世界大百科事典 「歌系図」の意味・わかりやすい解説

歌系図 (うたけいず)

地歌(じうた)の文献天明期(1781-89)までの地歌の曲名とその作詞者,作曲者名を記したもの。横本1冊。大坂の流石庵羽積編。1782年大坂の村上九兵衛,京の秋田屋山本平左衛門等刊。地歌470曲余りを,三下りの部,二上りの部,本調子の部,長歌の部,手事唱歌なき部,組唄の部,本手組の事,その他に分類しており,後の唄本の目録記載の範となる。人物,花鳥山水挿絵がある。活字翻刻は《新群書類従》第6巻,《日本歌謡集成》第8巻などに所収
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「歌系図」の意味・わかりやすい解説

歌系図
うたけいず

地歌資料。流石庵羽積 (りゅうせきあんはづみ) 著。天明2 (1782) 年大坂村上九兵衛,京都秋田屋山本平左衛門らが刊行。それまでの地歌曲 470余の曲名とその作詞者,作曲者などを記し,のちの地歌歌本の目録記載の範となった。二斗庵下物らの序があり,紙屋永三らの跋文があるが,そのなかで,系図を「つりぶみ」とも読ませている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の歌系図の言及

【松の葉】より

…1703年(元禄16)刊。編者の伝記は未詳であるが,第2巻の〈長歌〉の中の月見,夏草,花見の3章が,流石庵羽積(さすがあんはづみ)著《歌系図》(1781刊)に秀松軒作詞とあるのによれば,音曲や俳諧に遊んだ市井の一粋士か。書名の由来については巻頭の序に〈秀松軒の木のもとにかきあつめぬれば松の葉と名づけぬるもむべなるべし〉とある。…

※「歌系図」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android