ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「呉権」の意味・わかりやすい解説
呉権
ごけん
Wu Quan
[没]944
ベトナム最初の独立王朝である呉朝の始祖 (在位 939~944) 。ベトナム音でゴー・クエン Ngô Quyên。中国の五代に南漢から自立した楊廷芸の武将で娘婿。楊廷芸が部下の矯公羨に殺されると,矯公羨を討ち,これに介入した南漢の軍隊をも打破り,古螺を首都として王位につき,新王朝を開いた。ここにベトナムは中国の支配を脱し,独立時代に入った。在位6年で病没。死後,王子呉昌岌 (ごしょうきゅう。天策王) を託された王妃の弟楊三哥が王位を簒奪したが,やがて呉昌岌の弟呉昌文 (南晋王) によって退けられた。呉権を前呉王,呉昌岌と呉昌文を後呉王という。
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