呉権(読み)ごけん(その他表記)Wu Quan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「呉権」の意味・わかりやすい解説

呉権
ごけん
Wu Quan

[生]898
[没]944
ベトナム最初の独立王朝である呉朝の始祖 (在位 939~944) 。ベトナム音でゴー・クエン Ngô Quyên。中国の五代に南漢から自立した楊廷芸の武将娘婿。楊廷芸が部下の矯公羨に殺されると,矯公羨を討ち,これに介入した南漢の軍隊をも打破り,古螺を首都として王位につき,新王朝を開いた。ここにベトナムは中国の支配を脱し,独立時代に入った。在位6年で病没死後,王子呉昌岌 (ごしょうきゅう。天策王) を託された王妃の弟楊三哥が王位を簒奪したが,やがて呉昌岌の弟呉昌文 (南晋王) によって退けられた。呉権を前呉王,呉昌岌と呉昌文を後呉王という。

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世界大百科事典(旧版)内の呉権の言及

【ゴ氏】より

…しかし937年には牙将のキエウ・コン・ティエン(矯公羨)がズオン・ディン・ゲを殺して自立する。これに対しズオン氏の旧将ゴ・クエン(呉権)は938年に兵を挙げ,キエウとこれを助ける南漢の軍をバクダンザン(白藤江)に破って,939年ロアタイン(螺城)に都し,即位してゴ王と称したといわれる。944年ゴ・クエンは死に,かわって一時外戚のズオン・タム・カ(楊三哥)が権力を握るが,950年頃ゴ・クエンの子ゴ・スオン・バン(呉昌文),ゴ・スオン・ガプ(呉昌岌)が復権する。…

※「呉権」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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