イーゴリ(読み)いーごり(英語表記)Игорь/Igor'

日本大百科全書(ニッポニカ) 「イーゴリ」の意味・わかりやすい解説

イーゴリ(ノブゴロド・セーベルスキー公)
いーごり
Игорь Святославич/Igor' Svyatoslavich
(1150―1202)

ロシアノブゴロド・セーベルスキー公。のちチェルニゴフ公。当初、遊牧民ポーロベツ人を味方にして同胞と戦うなどしたが、1185年ロシアの地を守るべく他の諸公と同盟し、ポーロベツ人に対する遠征を企てた。しかしこの遠征は失敗に終わり、彼は囚(とら)われの身となる。中世ロシア文学最高の作品『イーゴリ遠征物語』は、この事件を歌ったものである。イーゴリはその後脱走し、戦いを続行した。

[栗生沢猛夫]


イーゴリ(リューリク王朝の始祖)
いーごり
Игорь/Igor'
(?―945)

ロシアのリューリク王朝の事実上始祖。半伝説的人物リューリクの子とされる。912年よりキエフ大公ドニエストル川とドナウ川間の東スラブ諸族を服属させ、913年にカスピ海方面に進出、941年と944年にはビザンティン帝国の首都コンスタンティノープルに遠征した。その際に結んだ条約(944)は名高い。さらに遊牧民ペチェネグ人などとも戦ったが、945年、遠征中にドレブリャーニン人の反乱にあって倒れた。

[栗生沢猛夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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