改訂新版 世界大百科事典 「周波数制御」の意味・わかりやすい解説
周波数制御 (しゅうはすうせいぎょ)
frequency control
電力系統の周波数(50または60Hz)が一定に保たれるように制御すること。電力系統の周波数は発電機の回転数によって定まるので,発電機の入力と出力に不均衡が生ずると周波数が変動する。周波数変動が生ずると電気時計が狂ったり電動機の回転数変動によって工業製品の品質に影響を与えるだけでなく,電力系統にとっても電圧変動など好ましくない影響があるので,0.1~0.2Hz程度の幅を目標に一定に保つように制御する。制御の方法は負荷の変動に応じて発電機入力を調整するが,20分程度以上のゆるやかな変化はあらかじめ予想をたて経済的に各発電所の分担を決めておく。2~20分くらいの変動は自動周波数制御を行いある特定の発電所の出力を制御する。2分程度以下の短い変動は各発電機に設けられた調速機で発電機入力を調整する。
執筆者:河野 照哉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報