和南(読み)ワナン

デジタル大辞泉 「和南」の意味・読み・例文・類語

わなん【和南】

《〈梵〉vandanaの音写目上の人に敬意を表してその安否を尋ねる語で、口に唱えながら、深く首をたれて礼をすること。礼拝敬礼稽首けいしゅ
「―して退けば」〈浮・近代艶隠者〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「和南」の意味・読み・例文・類語

わなん【和南】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] vandana の音訳 ) 仏語長上に敬意を表わし、その安否をたずねることば。口に「和南」と称し、深く首をたれて礼をする(稽首(けいしゅ))こと。
    1. [初出の実例]「出雲国守従五位下勲十二等石川朝臣年足、稽首和南十方諸仏」(出典:観彌勒菩薩上生兜率天経跋‐天平一〇年(738)六月二九日)
    2. 「和南(ワナン)して退けば」(出典:浮世草子・近代艷隠者(1686)一)
    3. [その他の文献]〔南海寄帰伝‐三〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android