和泉寺跡(読み)いずみでらあと

日本歴史地名大系 「和泉寺跡」の解説

和泉寺跡
いずみでらあと

国鉄阪和線和泉府中駅より南へ六〇〇メートル付近(府中町四丁目)一帯にあったとされる。当寺は、茅渟県主の氏寺として創建されたものだといわれている。「和泉志」に「礎石尚存」とあることから、江戸中期まではかなり明らかな遺構がみられたことと思われる。飛鳥時代の古瓦も出土しており、また礎石の一基が泉井上いずみいのうえ神社境内に保存されている。この礎石は花崗岩製、上面・側面とも磨き上げてあり、上面は直径一一四センチで、一辺四三センチの方形に掘込み、さらに四方に直径五センチの円孤を穿ち、中央部に径二四センチの掘込みがある。以上のような遺物も存在はするが、現在、和泉市立病院の北側道路わきに、和泉寺跡の石柱が建てられているのみで、水田宅地と化し、その遺構なども明白でない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android