日本大百科全書(ニッポニカ) 「品級の秘蹟」の意味・わかりやすい解説
品級の秘蹟
ひんきゅうのひせき
Sacramentum Ordinis ラテン語
カトリック教会の七つの秘蹟(サクラメント)の一つ。現在は「叙階の秘蹟」とよばれる。司祭志願者が哲学や神学を勉学し、司祭にふさわしい人格を形成したのち、助祭や司祭に叙せられる儀式。司教のみがこの秘蹟を行う権威をもっている。司祭のなかから選ばれて司教に叙せられる場合も、品級の秘蹟である。この秘蹟によって生まれた助祭、司祭、司教によって「神の民」に奉仕する位階制度が形成される。
聖職者と信徒との根本的差異をなくしているプロテスタント諸教会では、手を人の頭上に置いて祝福を与える按手(あんしゅ)によって教会職位の授与はなされているが、これは秘蹟とは認められていない。
[門脇佳吉]
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