哥窯(読み)カヨウ(英語表記)gē yáo

デジタル大辞泉 「哥窯」の意味・読み・例文・類語

か‐よう〔‐エウ〕【×哥窯】

中国、南宋時代に浙江省にあった伝説的な青磁窯。また、それで作った青磁。素地が黒く、うわぐすりは淡い色を呈し、大きな貫乳がある。

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精選版 日本国語大辞典 「哥窯」の意味・読み・例文・類語

か‐よう‥エウ【哥窯・歌窯】

  1. 〘 名詞 〙 中国宋代に浙江省処州龍泉県にあった陶磁窯。また、その窯で作った青磁。釉色が淡く、釉ひびが大きい。
    1. [初出の実例]「茶を喫するの磁碗は宋哥窯(カヨウ)にして価二百金に下らず」(出典:匏菴十種(1892)〈栗本鋤雲〉奇人鳥安老人の蹟)

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改訂新版 世界大百科事典 「哥窯」の意味・わかりやすい解説

哥窯 (かよう)
gē yáo

中国産の青磁の一種。南宋時代,浙江省の竜泉窯に,章生一,章生二という2人の名工がおり,その兄の章生一が焼いた,貫入のある青磁であるといわれる。〈哥〉は兄の意味である。近年竜泉窯址が調査され,製陶の中心だった大窯付近で,南宋官窯郊壇窯)の青磁に似た貫入のある青磁が焼かれていたことがわかった。しかし哥窯と呼ばれて伝世している青磁はかなり多様で,南宋官窯との判別も難しく,問題とされている。
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