普及版 字通 「哲(漢字)」の読み・字形・画数・意味
哲
常用漢字 10画
[字訓] さとる・さとい
[説文解字]
[字形] 形声
声符は折(せつ)。〔説文〕二上に「知るなり」とし、折声とするが、金文の字形は、神梯の象である(ふ)と斤とに従う。その下に心を加えている形で、その字形は〔説文〕に重文として録するものにもみえる。また金文には(てつ)を用いることが多く「厥(そ)のを(あき)らかにす」「厥の心を淑にす」「天子」のようにいう。を〔説文〕十下に「ふなり」と訓し、哲と別の字として扱うが、おそらくもと一字であろう。〔書、酒誥〕に「殷の先哲王」の語があり、よく神明につかえ、神明に通ずるものをいう語であった。
[訓義]
1. さとる、さとい、明らか。
2. 知る、神明のことを知る。
3. さとく賢い、賢哲。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕哲 サカシ・カシコシ・サトル・アキラカナリ・モノガタリ/ サトル・アキラカナリ・スミヤカニ 〔字鏡集〕哲 サトシ・トシ・サトル・タカシ・シル・アキラカナリ・シム・モノガタリ・カシコシ・スグルル・ヒカリ
[語系]
哲・tiat、晢tjiatは声近く、晢(せき)は晢明、昧爽(まいそう)(よあけ)をいう。知・智tieも同系の語であるらしく、知・智はともに矢に従い、神との誓約を意味する語である。
[熟語]
哲王▶・哲▶・哲兄▶・哲彦▶・哲后▶・哲獄▶・哲士▶・哲思▶・哲嗣▶・哲相▶・哲人▶・哲聖▶・哲夫▶・哲婦▶・哲茂▶・哲命▶・哲理▶
[下接語]
英哲・睿哲・叡哲・穎哲・往哲・耆哲・賢哲・才哲・十哲・宿哲・淑哲・俊哲・雋哲・濬哲・聖哲・先哲・前哲・聡哲・邦哲・明哲
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報