唯心房集(読み)ユイシンボウシュウ

関連語 大原 上条

改訂新版 世界大百科事典 「唯心房集」の意味・わかりやすい解説

唯心房集 (ゆいしんぼうしゅう)

唯心房寂然(じやくねん)(俗名藤原頼業(よりなり))の家集。平安末期。成立年次未詳。1巻。系統を異にする多数の伝本があり,内容・歌数ともに異同がある。歌数の最も多い本で164首。〈(不酤酒戒 )花のもと露のなさけはほどもあらじゑひなすゝめそ春の山風〉(《新古今集》にも収録)など釈教歌特色を示し,書陵部蔵1本には今様50首が含まれる。寂然は,寂念,寂超とともに大原の三寂常磐ときわ)三寂)と称された人物で,西行とも親交があった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android