啓沃(読み)ケイヨク

デジタル大辞泉 「啓沃」の意味・読み・例文・類語

けい‐よく【啓沃】

心中ひらいて、他人の心にそそぎ入れる意》心に思うことを隠さずに主君に申し上げること。
五百いおの―も与って力があったであろう」〈鴎外渋江抽斎

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精選版 日本国語大辞典 「啓沃」の意味・読み・例文・類語

けい‐よく【啓沃】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 自分の心を啓(ひら)いて人の心に沃(そそ)ぎ入れる意 ) 心を開き、思うことをかくさないで主君に申しあげること。上啓。陳啓。また、主君を補佐すること。
    1. [初出の実例]「啓沃悔於既往、摂理昧於方来」(出典:本朝文粋(1060頃)四・入道大相国重上表〈大江匡衡〉)
    2. 「この津軽家の政務発展の時に当って、允成が啓沃(ケイヨク)の功も少くなかったらしい」(出典:渋江抽斎(1916)〈森鴎外〉一一)
    3. [その他の文献]〔宋史‐趙普伝〕
  3. 人を導き教えること。
    1. [初出の実例]「又或は其人を啓沃して万物の事理自然の規矩を了得せしむる者たるを得べし」(出典:修辞及華文(1879)〈菊池大麓訳〉通知)

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普及版 字通 「啓沃」の読み・字形・画数・意味

【啓沃】けいよく

心を開いて王に告げる。〔書、説命上〕乃(なんぢ)の心をきて、が心に沃(そそ)げ。

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