善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや(読み)ぜんにんなおもておうじょうをとぐ、いわんやあくにんをや

故事成語を知る辞典 の解説

善人なおもて往生を遂ぐ、況んや悪人をや

人はだれでも悪人であり、そういう人こそが、信仰によって救われるべき対象なのだ、ということ。

[使用例] 悪徳はつまらぬものであるけれども、孤独という通路は神に通じる道であり、善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや、とはこの道だ[坂口安吾*続堕落論|1946]

[由来] 一二~一三世紀、鎌倉時代の日本の僧、しんらんの教えを弟子がまとめた「歎異抄」の一節。よい行いをする少数の善人でさえも極楽に行けるのだから、仏の救いに頼るしかない大多数の無力な悪人が救われるのはいうまでもないことだ、という意味。親鸞の教えの真髄を表すことばだとされています。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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