善学院(読み)ぜんがくいん

日本歴史地名大系 「善学院」の解説

善学院
ぜんがくいん

[現在地名]神戸町神戸

日吉神社の南東に位置し、影向山神護じんご寺と号する。天台宗に属し、本尊阿弥陀如来開基は最澄という。弘仁八年(八一七)郡領安八大夫安次が東国巡化の最澄を当地に招請し、一宇を建立して善学院としたという。影向山神護寺と称するのは、このとき最澄が当寺で三密の秘法を修行中に影向託宣を受け、歓喜のあまり大宮・二宮宇佐宮・樹下宮の神像四柱を彫刻して近江日吉社を勧請し日吉神社を創建鎮護国家の守りとしたことによると伝える。天台宗の教線拡大のための神仏習合思想の現れであろう。年未詳二月一日の増田長盛書状写(神護寺文書)と寛永一四年(一六三七)の大僧正天海折紙(同文書)によると、勧学かんがく院領五〇石余のうち二〇石六斗は当寺と上宮山王社僧八坊(六坊)分で、神戸村にあったその内訳は当寺領七石・山王社僧六坊領一三石六斗(美濃明細記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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