(読み)あえぐ

精選版 日本国語大辞典 「喘」の意味・読み・例文・類語

あえ・ぐ あへぐ【喘】

〘自ガ五(四)〙 (古くは「あえく」)
① 息が切れる。せわしく呼吸する。苦しそうに息をつく。あえずく。
万葉(8C後)三・三六六「いさなとり 海路に出でて 阿倍寸(アヘキ)つつ わが漕ぎ行けば」
② (比喩的に) 生活経営などがうまくはかどらないで苦しむ。困難を抱えて苦悩する。
東京の三十年(1917)〈田山花袋〉KとT「みな僕等と同じやうな人生重荷にあえいで、もだえて来たんだ」

あえぎ あへぎ【喘】

〘名〙 (動詞「あえぐ」の連用形名詞化)
① 激しく呼吸すること。また、その声。
※珊瑚集(1913)〈永井荷風訳〉暗黒「臨終の喘咽(アヘギ)聞ゆる」
喘息(ぜんそく)のこと。〔十巻本和名抄(934頃)〕

あわ・く あはく【喘】

〘自カ四〙 はげしく呼吸する。あえぐ。馬に関していうか。
新撰字鏡(898‐901頃)「嘽 労也 阿波久 又馬伊奈久」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「喘」の意味・読み・例文・類語

ぜん【喘】[漢字項目]

[音]ゼン(慣) [訓]あえぐ
はあはあと短く呼吸する。「喘息余喘

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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