企業全体あるいはその各部門の営業活動の採算性をみるための比率で,営業収支比率,営業比率ともいわれる。\(\frac{営業費用}{営業収入}\)×100で計算される。売上高などの営業収入を100得るために,売上原価,販売費・一般管理費および金融費用などの営業費用(〈営業利益〉の項参照)をどれだけ支出したかを表すので,営業比率が100をこえるときには,経済的観点からはその活動を行うべきではない。鉄道業では伝統的にこの比率がよく利用されており,旅客・貨物別,あるいは路線別に計算されている。巨額の赤字を出していた旧国鉄には,この比率が100をはるかにこえている路線が多く,いわゆる赤字たれ流しを続け,財政再建上の最大のネックになっていた(1987年4月,国鉄は分割・民営化されJRグループに再編成された)。
執筆者:若杉 敬明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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