四エチル鉛中毒(読み)しエチルなまりちゅうどく(その他表記)tetraethyl lead poisoning

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「四エチル鉛中毒」の意味・わかりやすい解説

四エチル鉛中毒
しエチルなまりちゅうどく
tetraethyl lead poisoning

四エチル鉛 (→テトラエチル鉛 ) の蒸気を吸入したり,接触したりしたときに起る中毒。四エチル鉛はガソリンのアンチノック剤として使われる無色透明の重い油状液体。不快臭がある。急性中毒は高濃度のものを吸収した場合に起り,中枢神経を強く障害し,頭痛,不眠などの症状が現れ,重症では短時間内に発狂状態となり,死亡することがある。慢性中毒は少量を持続的に吸収した場合に起り,初期症状は頭痛,不安感,興奮,悪夢を伴う不眠,易疲労性,吐き気下痢など。さらに進行すると,人格変化,幻覚,不安感,昏睡などが生じる。治療には,鉛の排出を促進するために EDTA,ペニシラミンの投与を行う。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む