最新 地学事典 「四極分裂」の解説
しきょくぶんれつ
四極分裂
quadrupole splitting
原子核は電子と同じようにスピン運動をする。核のスピンⅠが1以上になると核の形は球対称からずれ,正電荷からなる四極をもつ回転楕円体型(電気的4極子)になり,イオンのもつ電子や周囲にあるイオンのつくる負電場と相互作用をし,エネルギー準位の分裂が起こる。メスバウアー効果を引き起こす57Feはこの例で,14keVのγ線エネルギーで鉄のⅠ=1/2から3/2に励起される。相互作用の大きさをγ線の吸収スペクトル位置から四極分裂で表す。この値から鉄の配位数・電場勾配の大きさ,吸収強度から結晶場における鉄の席占有率の推定に利用。
執筆者:進野 勇
参照項目:メスバウアー効果

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

