ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「回転準位」の意味・わかりやすい解説 回転準位かいてんじゅんいrotational level 回転運動を量子化したときのエネルギー固有値で,球対称でない分子や原子核の場合に存在する。古典力学では,回転の運動エネルギーは J2/2I ( J は角運動量,I は慣性モーメント ) で与えられる。しかし量子力学では,角運動量は不連続な値しかとりえないため,対応する回転エネルギーもとびとびの値しかとりえない。具体的にいうと,回転準位の主要項は (h2/8π2I)J(J+1) で与えられる。ただし h はプランク定数,J は回転量子数で,J=0 ,1,2,…である。たとえば,質量がそれぞれ m1 ,m2 の原子から成る二原子分子で,分子の重心を通り,両原子を結ぶ直線に垂直な軸のまわりの回転において,その準位は前式で与えられる。この場合,分子の慣性モーメント I は I=m1m2r2/(m1+m2) で与えられる。 r は2原子間の距離である。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by