国連南スーダン派遣団(読み)こくれんみなみすーだんはけんだん(その他表記)UNMISS//United Nations Mission in the Republic of South Sudan

知恵蔵 「国連南スーダン派遣団」の解説

国連南スーダン派遣団

アフリカの新生国、南スーダン共和国の「国づくり」を支援する国連派遣部隊。2011年7月、南スーダンがスーダンからの分離・独立を果たすと、国連は直後の総会で同国の加盟を承認した。独立に合わせ、安全保障理事会が国連南スーダン派遣団(UNMISS)の設立・派遣を決定している。
国連は、スーダン内戦を終結させた05年の「南北包括和平合意(CPA)」調印直後から、国連スーダン派遣団(UNMIS)を派遣し、停戦監視や治安維持を柱に暫定自治政府を支援してきた。日本もUNMIS司令部に自衛官2人を派遣していた。正式な独立国家成立によってUNMISは役割を終え、新たにUNMISSが、道路や橋、空港の補修・建設など、立ち遅れているインフラ整備を中心とする支援活動に当たることになった。
UNMISSの活動には、治安部門の改革、警察能力の強化、法整備や司法制度支援などが含まれており、約7000人のPKO(平和維持活動)部隊に加え、文民約900人も派遣される予定である。だが、反政府組織のテロ活動や民族間の対立紛争が絶えず、また長期の内戦で拡散した武器の回収も進んでいない。このため国連は、UNMISSに一定武力行使も認めている。
国連から参加要請を受けた日本政府も、PKO協力法が定める自衛隊の参加基準「PKO5原則」の見直し(法改正による緩和)を前提に、陸上自衛隊約300人の派遣を決めた。12年2月には、第1次主力部隊が現地入りしている。

(大迫秀樹  フリー編集者 / 2012年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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