日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際取引所連合」の意味・わかりやすい解説
国際取引所連合
こくさいとりひきじょれんごう
World Federation of Exchanges
世界の主要取引所が加盟する国際機関。世界の350を超える株式指標のデータベースを保有しており、毎月、主要取引所の時価総額や取引高などの統計を公表している。略称WFE。本部をロンドンに置く。2015年11月時点で、世界64の取引所が加盟している。1957年に発足したヨーロッパ証券取引所連合(FESE)が前身で、1961年にロンドン証券取引所などが加盟して世界の主要取引所で構成する国際証券取引所連合として発足した。1966年にニューヨーク証券取引所、1970年に東京証券取引所(現、日本取引所グループ)が加盟し、デリバティブなど広範な金融サービスを扱うようになったため、2001年の年次総会で国際取引所連合に改称した。
国際取引所連合は市場に関する政策提言や統計収集・調査研究のほか、加盟取引所との情報交換、新興取引所への技術支援などに取り組んでいる。毎年秋に総会を開催し、加盟国間の共通の課題について討議する。最近では、高頻度取引(HFT)の発達に対応したリスク制御機能の強化、環境保護、社会性、企業統治に配慮した企業に投資するESG投資の促進、サイバーセキュリティに関する情報交換などが主要課題となっている。なお国際取引所連合のアジア地域組織として、アジア・オセアニア証券取引所連合(AOSEF:Asian and Oceanian Stock Exchanges Federation)があり、日本取引所グループがAOSEFの事務局を務めている。
[矢野 武 2015年12月14日]