朝日日本歴史人物事典 「土屋政直」の解説
土屋政直
生年:寛永18.2.5(1641.3.16)
江戸前期の大名。数直と水野忠貞の娘の子。延宝7(1679)年5月遺領を継ぎ,常陸国(茨城県)土浦藩4万5000石の藩主となる。雁の間詰め。天和2(1682)年2月駿河国(静岡県)田中藩4万5000石に転封。延宝7年9月から奏者番,貞享1(1684)年7月大坂城代になり在坂賄領として大坂周辺で2万石加増。4年10月老中となり,旧領常陸国土浦に転封,6万5000石を領する。将軍徳川綱吉・家宣・家継・吉宗の4代に仕え,享保3(1718)年3月まで31年にわたり老中の重職にあった。この間,元禄7(1694)年,正徳1(1711)年,享保3年にそれぞれ1万石加増され,9万5000石を領した。将軍綱吉に『大学』『中庸』を講ずるなど儒学に造詣が深く,伊藤仁斎の弟進斎らを招いて藩学を振興した。家中に対し二十一カ条の条目を制定して綱紀の粛正に努め,領内の産業育成のため醤油醸造業を保護している。
(泉正人)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報