土船(読み)ツチブネ

デジタル大辞泉 「土船」の意味・読み・例文・類語

つち‐ぶね【土船/土舟】

土砂を運ぶ船。
「引汐の堀割つないだ―」〈荷風・すみだ川〉
土でつくった船。昔話かちかち山」に出てくるどろぶね。

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精選版 日本国語大辞典 「土船」の意味・読み・例文・類語

つち‐ぶね【土船・土舟】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 土を運送する船の総称。江戸時代の大坂には極印をうけた古土船・新土船・在土船の三種が合計六六艘あり、山土を積んで大坂市中の銅細工や鍋・釜の鋳物師などへ売った。船の長さ三二・五尺(約九・八五メートル)、幅五・七尺(約一・七三メートル)、一人乗りの小型の川船。土取り船。
    1. [初出の実例]「土船諷棹を月はすめ身は濁れとや〈楓興〉 浮生ははぜを放す盞〈其角〉」(出典:俳諧・虚栗(1683)下)
  3. 土で作った船。日本の昔話「かちかち山」に出てくる船。どろ船。
    1. [初出の実例]「かちかち山の因縁を顕し、水桶の内の苦みは土舟の報を見せたり」(出典:滑稽本・古朽木(1780)五)

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