地方三部会(読み)ちほうさんぶかい(その他表記)États provinciaux; Etats généraux de la province

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「地方三部会」の意味・わかりやすい解説

地方三部会
ちほうさんぶかい
États provinciaux; Etats généraux de la province

革命前のフランスの各地方で行われた身分制議会。通常,上級聖職者,修道院院長,貴族,都市執政官の代表によって構成された。招集年は各地方で異なる。地方三部会の招集は地方の特権であり,その独自性,慣習,利益を主張する場であったが,王権はこれを王政協賛機関として利用し,役人を派遣して王命書を伝え協賛と援助すなわち徴税兵士・武器の徴発を求めるようになった。その存続する地方をエタ地方 pays d'Etatsと呼び,徴税は地方三部会の承認を必要としたが,次第に王権の前に形骸化し地方利益擁護の力は衰え,最後にブルターニュラングドックなどに残るのみとなった。

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世界大百科事典(旧版)内の地方三部会の言及

【三部会】より

…聖職者,貴族,第三身分(平民)の各代表によって構成され,審議は身分ごとに形成される部会単位で行われたため〈三部会〉と呼ばれる。全国三部会États générauxと地方三部会États provinciauxとがある。全国三部会は通算約60回開催されたが,その歴史は次の4時期に分けることができる。…

※「地方三部会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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