地方分権推進委員会(読み)ちほうぶんけんすいしんいいんかい

知恵蔵 「地方分権推進委員会」の解説

地方分権推進委員会

いずれも地方分権を進めるために時限的に設けられた首相直属の諮問機関前者による分権を第1次分権、後者による分権を第2次分権ということもある。地方分権推進委員会(1995年7月〜2001年7月)は95年の地方分権推進法に基づいて発足し01年までの5次にわたる勧告地方分権改革の基礎を築いた。勧告の多くは改正地方自治法(00年4月施行)に結実した。国と地方は対等・協力の関係にあり、住民に身近な行政は地方が行い、国は国家存立や全国的視点を要する行政を行うという原則のもと、機関委任事務の廃止、国地方係争処理委員会の創設、国の関与の透明化、必置規制(組織や職の設置の義務づけ)の緩和、自治体の課税権強化などが実施された。しかし税源移譲や補助金改革など財政上の分権は進まず、これに対応すべく地方分権改革推進会議(01年7月〜04年7月)が設けられた。同会議は3次にわたる意見書で、ナショナル・ミニマムからローカル・オプティマム(地域ごとの最適状態)へ、行政の総合化、地域間競争、自立的財政運営、国の決定への地方の参画を基本方針に、事務事業の見直し、税財源や補助金の移譲を提言した。地方分権改革推進会議は、地方制度調査会ほか、01年1月の省庁再編で内閣府に設けられた経済財政諮問会議と共に地方分権を推進してきた。

(北山俊哉 関西学院大学教授 / 笠京子 明治大学大学院教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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