地銭(読み)じぜに

精選版 日本国語大辞典 「地銭」の意味・読み・例文・類語

じ‐ぜにヂ‥【地銭】

  1. 〘 名詞 〙 平安朝末期から日本に移入された中国銭や朝鮮銭などを模して、わが国で鋳造した銭貨のこと。これらの模造銭も移入された本来のものと混じって、江戸時代初期まで通用した。鋳造地は畿内とされているが、全国各地にわたるものとするのが妥当のようである。
    1. [初出の実例]「定 撰銭事〈略〉一、地せにの内、よき永楽〈五文〉大観、〈略〉よき銭の内たるへし」(出典:東寺百合文書‐せ・五十一至六十止・永正九年(1512)八月三〇日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の地銭の言及

【私鋳銭】より

…新銭というのもこれと同じか,あるいは類似のものであろう。(2)日本新鋳料足,地銭 日本の国内で鋳造されたもので,永楽,大観,嘉定,洪武(なわ切り),大唐などの表示をつけたものもある。鋳造場所を示すさかい(堺)銭,あるいは九州で流通した字大鳥,黒銭などもあり,なまり銭も国内産の私鋳銭であろう。…

※「地銭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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