最新 地学事典 「地震隆起」の解説
じしんりゅうき
地震隆起
seismic upheaval
地震に伴う地殻の隆起。大地震が起こった場合,海岸が数mも隆起する例が多く知られている。著名なものとしては1804年の象潟地震時の象潟,関東大地震(1923)による南関東,南海道地震(1946)による室戸岬,新潟地震(1964)の粟島などがある。隆起が強調されるのは,波食棚が露出したり,もとの海面を指示する生物の遺骸が岩に付着していたりして容易に認められやすいためであり,実際には沈降も伴っている。海に突き出した岬の先端部は,地震時に急激に隆起し,その後,次の大地震時までの間に徐々に沈降する所が多い。南関東や室戸岬などもこのような地域であるが,沈降量より隆起量が大きく,結局地震時の変位の向きに変位が積算されることから,海成段丘の高さと年代を使って永年的な隆起速度が算出されている。参考文献:吉川虎雄ほか(1964) 地理評,37巻:627
執筆者:中村 一明
参照項目:地殻変動
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

