均徭法(読み)きんようほう(英語表記)Jun-yao-fa; Chün-yao-fa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「均徭法」の意味・わかりやすい解説

均徭法
きんようほう
Jun-yao-fa; Chün-yao-fa

中国,明代の徭役一種。明初の徭役は里甲正役 (→里甲制 ) のほか臨時的な雑役があったが,時代の進展に伴いその負担が重く内容が多様化したので,雑役の割当て方法を適正化,定期化する必要から生れたのが均徭法である。正統8 (1443) 年頃,按察司僉事夏時の立案で江西に始り,やがて弘治1 (88) 年には全国的に施行された。均徭割当ての台帳として均徭冊がつくられ,土地と人丁の多寡を基準に戸などの上下に応じ,雑役の種目が定められた。均徭は初め力役を課したが (力差) ,田賦の銀納化とともに均徭も銀納化されるようになり (銀差) ,一条鞭法の施行により,これに包含された。

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世界大百科事典(旧版)内の均徭法の言及

【均徭】より

…とくに雑役は,明初には国家の必要に応じて随時割り当てられたが,時代とともに国家機構が膨張するにつれて,その負担が重くなり,種類も増加した。そこで雑役負担の均衡(定期化,定量化)をはかるため制定されたのがこの均徭法である。1443年(正統8)ころ按察司僉事(せんじ)夏時によって江西に行われ,80年代にはほぼ全国に実施された。…

※「均徭法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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