坐断(読み)ざだん

精選版 日本国語大辞典 「坐断」の意味・読み・例文・類語

ざ‐だん【坐断・座段】

  1. 〘 名詞 〙
  2. [ 一 ] ( 坐断 )
    1. ( 「坐」は「くだく」「くじく」の意、「断」は強調接尾辞 ) 仏語。誤った考えや執着など、一切の差別の相を断ち切ること。俗念を断つこと。殺破ともいう。
      1. [初出の実例]「いはゆる一坐のとき、三千界みな坐断せらるる」(出典:正法眼蔵(1231‐53)洗面)
      2. [その他の文献]〔碧巖録‐三二則・垂示〕
    2. ( 「坐」は「すわる」の意 ) どっかりとすわること。腰をすえること。
      1. [初出の実例]「金鱗難得急流前、坐断釣台三十年」(出典:狂雲集(15C後)船子釣台図)
  3. [ 二 ] ( 座段 ) ( [ 一 ]転用か ) 能楽で、しっかりと座をしめること。着座すること。
    1. [初出の実例]「身の姿などをも、座たむして、調子の音取(ねと)り」(出典:風曲集(1423頃))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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