坩堝鋼(読み)ルツボコウ

デジタル大辞泉 「坩堝鋼」の意味・読み・例文・類語

るつぼ‐こう〔‐カウ〕【坩堝鋼】

黒鉛製や耐火粘土製の坩堝を用いて小規模に溶解・精錬して作る特殊鋼

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精選版 日本国語大辞典 「坩堝鋼」の意味・読み・例文・類語

るつぼ‐こう‥カウ【坩堝鋼】

  1. 〘 名詞 〙 坩堝を用いてつくった鋼。坩堝による方法は古くからあるが、大規模な近代製鋼法が登場したあとでは、高炭素鋼、特殊鋼などの少量の高級な鋼をつくるのに一部で使われているにすぎない。

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百科事典マイペディア 「坩堝鋼」の意味・わかりやすい解説

るつぼ(坩堝)鋼【るつぼこう】

るつぼに配合した原料を装入し,るつぼ炉で加熱して製した鋼で,偏析気泡(きほう)などがなく良質。高炭素鋼,工具鋼などをつくったが,製造規模が限られ生産費も高いので,電気炉鋼の品質向上に伴い近年はほとんど用いられない。1740年ハンツマンがこの製鋼法を発明,初めて工業的に溶鋼が得られるようになった。
→関連項目ハンツマン

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世界大百科事典(旧版)内の坩堝鋼の言及

【鋼】より

…溶融状の鋼は1740年イギリスのハンツマンBenjamin Huntsman(1704‐76)により初めてつくられた。この鋼はるつぼに原料を密閉し加熱して溶かすので,るつぼ鋼とも呼ばれる。一方,18世紀ころから鋳鉄の製造法として反射炉が用いられはじめ大砲などが鋳造されていたが,イギリスのコートHenry Cort(1740‐1800)は,反射炉をさらにくふうして銑鉄の溶融だけでなく,溶融した銑鉄をかくはん(攪拌)することによって半溶融状の可鍛鉄をつくることに成功した。…

※「坩堝鋼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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